あれから。
宮西くんに思いを伝えられたあの日から。
頭の片隅に、紫杏くんだけでなく、告白の返事に対しても浮かぶようになった。
…それでもやっぱり紫杏が占めてる割合は高くて、嫌でも自分の思いを実感させられてしまう。
「おおっ、倉沢ー、いいところに。
職員室からノート取ってきてくれないかー?」
「はい。分かりました」
ボーッと窓の外の景色を見ていたら、先生に呼ばれてしまう。
私の席は一番前の左端で、なにかと雑用を押し付けられやすかったりする。
職員室に行き、クラス全員分のノートを持とうとして…、一旦やめる。
…一回に全員分持ってけたら楽だけれど、そうはいかない。
往復になっちゃうけど、二回に分けていこうかな…。
山積みに置かれたノートの半分だけ取って教室へ向かう。
…重いけど、ぎりぎり持てるかも…!
