ここ最近、紫杏くんが迎えに来てくれることがめっきり減った。
私が断ってばかりいるからか、連絡もあまりない。
もうこのまま会うこともなくなっちゃうのかなとか考えると、不安が溢れ出して止まらない。
「花澄〜。打ち上げなんだけど、染野さんは…どうする?」
遠慮気味に聞く和葉ちゃん。
考える時間は特になく、ほぼ即答で返す。
「紫杏くんは誘わないでもいい?」
「了解」
こちらを伺っている様子だったけれど、私の視線に気づくと明るく笑う。
「…ごめんね、和葉ちゃん。最近、たくさん気を遣わせちゃって」
「謝んないでよー。花澄も色々あったんでしょ?気ぐらい遣わせてよ」
その言葉に、胸が熱くなる。
けれど、同時に浮かぶ紫杏くんの顔、声、仕草。
会いに行こうと思えば行けるのに、行く勇気もなければ行こうとも思えない。
紫杏くんに彼女さんがいることを知った上で会いに行けない。
何度見ても、すごくお似合いだったなぁ…。