「それじゃあ本題に入るとしようか」
空気が変わる。
緩い雰囲気とは程遠い、張り詰めた空気。
「監視、についてなんだが。こちらで他に監視役は手配しておいたし、紫杏くんがやらなくても良いんじゃないか」
「…つまり?」
「監視役を交代させようと思ってな。
今まで、紫杏くんは代理という形で監視役を担ってもらっていた。が、代わりは用意できたからもうその必要はない」
「……はぁ…」
立場上、俺が監視役を担うような人物ではないのはその通り。
じゃあなんで俺が代理とはいえ監視役をやってるかなんて、一目瞭然。
俺が花澄ちゃんに、興味があったから。
実際、監視役の人手が足りなかったわけでもないのに代理が必要だった理由も簡単なことで、俺が手を回したから。
「あの子に監視役は必要ありませんよ。
秘密にして欲しいことは命かけても守ってくれるような子ですから」
ーー他の奴に、この座を渡すわけがない。