呆れた表情で染野くんを見る大雅くん。
悪い子よりのいい子…。
「…紫杏がここに連れてくるくらいだし、大丈夫か。睨んで悪かったな」
「いえ…、大丈夫です」
どうしてか納得した様子の大雅くん。
金髪の髪、耳につけたいくつかのピアス、仏頂面な顔。
改めて思う。
どこからどうみても不良だなって。
「そういえば、おまえ何歳?」
「16歳、ですけど…?」
仏頂面で質問する大雅くん。
いきなり、突拍子もない質問をされて少し驚いてしまう。
「マジか、タメじゃん。中学生くらいだと思ったわ、童顔だし」
「中学生、ですか……」
それは、一年前まで中学生だったけれど…。
…私ってそんなに童顔なのかな?
でも、私が童顔だったとしてもここの人たちの顔面が大人びてるんだもん…、間違えられるのも仕方ないよねきっと。
「ああー、いや、落ち込むなって。悪かったな」
ザ・不良の見た目をしている大雅くんが謝ってきたことにビックリする。
不良って、我が強くて謝ったりしないイメージがあったから。
…でも、人は見かけによらずって言葉もあるくらいだから。
実はいい人なのかな?
