ーー薄々、避けられてるのは気づいていた。
花澄ちゃんから送られてきた、迎えに来なくて大丈夫という一言。
こないだは宮西クンと三人で帰って、今日は来なくていいと。
無意識のうちに、ため息をこぼした。
「染野、顔険し。そんな顔してたら皺になるんじゃねーの」
「うるさい」
「…あー、察し。倉沢さんと何かあったんだ」
横からうざったらしい声が耳に入る。
「避けられてたりすんの?」
面白そうにこちらを眺める黒瀬。
スルーすれば、不服そうに睨んでくる。
避けられるような節があったといえば…。
熱の件、だろうか。
熱が出てるせいか、積極的な花澄ちゃんに思わずガッついちゃったけれど。
それが悪かった?
「百戦錬磨の染野でも、悩んだりするんだ」
「…は?」
当たり前。
花澄ちゃんにはこれでもかってくらい振り回されてる。
今までの色恋とはわけが違う。