普段なら、こんなこと言えないし見つめられてるこの状態にフリーズしてしまうだろう、けれど。
熱が出てる時の私はそうではないらしい。
理性が簡単に負けてしまうみたい。
「手、繋いでくれないと寝れない」
紫杏くんのスキンシップが今まで激しかったから。
その分、無意識のうちに求めてしまう。
「…どうしたの、急に。熱出ると甘えたくなっちゃうの?」
「…ぅ、紫杏くん、だから…」
はっ、と紫杏くんの瞳孔が開く。
すごく、ビックリしてる様子で。
こんな表情、一度も見たことがない。
「手、繋いでくれないの…?」
「…繋ぐよ」
熱任せに言えば、ギュッと握るように手を繋いでくれるけれど、そうじゃない。
「こっちがいい…」
スルリと指を絡ませて、恋人繋ぎをすればビクッと紫杏くんが反応する。
