でも、
反射的に出たからこそ、自分自身にビックリしてしまう。

他の人と同じ扱いで、いいはずだったのに。

いつの間にかそれが嫌で、拒否しちゃってるんだから。

…もう抜け出せないところまで来ちゃってるのかもしれない。



「倉沢さん、前見て。危ないよ」



優しく宮西くんのほうに体を傾けさせられ、正面を向くと電柱があった。

危うくぶつかってしまう距離にあった。



「宮西くん、ありがとう」



温和な笑みを浮かべながらエスコートする姿は、モテるのも十分頷ける。

…というか、この状況を見られたら校内のほぼ全女子を敵に回してしまう気がする。


そのまま、宮西くんに寄って歩いていると、ものすごく痛い視線が刺さる。

その視線の持ち主は、すごく不機嫌そうだった。

とくに会話もなく歩いていると、宮西くんが口を開いた。


「倉沢さんは、この前のテストどうだったの?」

「良かったよ…!点数も順位も上がってて…‼︎」