服を買って、ショッピングモール内のお店をたくさん回って、お昼ご飯も食べて。

一通り満喫した後、名残惜しいけど帰ることに。



「次遊ぶ時は打ち上げだね。
花澄と染野さんの都合のいい日、また教えてね」

「うん。今日は服とか、ありがとう」

「どーいたしまして」



ふと、考えるような視線で私をじっと見る和葉ちゃん。

…何だろう?



「花澄は、ホントに染野さんに告白するつもりないの?」

「……」

「いい感じだと思うんだけどな」



そういえば、前もこの質問されたなって既視感を覚える。

監視対象と監視人。

たったそれだけの特殊な関係。

きっと、恋愛対象有無の話じゃないのかもしれない。

…だけれど。



「…いつか、伝えようかなって思ってるの。
紫杏くんの隣に立っても恥ずかしくないようになってから、伝えようかなって…」



言ってるうちに、段々声が小さくなってしまう。

声に出し宣言するのはやっぱり恥ずかしいけれど、宣言したからにはいつか告白したいなって…。



「そっか!!そうなんだ!」



私の言葉に勢いよく首を縦に振るかずはちゃん。

そして、親指を突き出す。

応援してるよ、と言われてるような気がして、顔が綻んだ。

ーー人だかりから外れたその光景を見るまでは。