その瞳に囚われて

***


「…花澄ちゃん、今日いいことでもあった?」

「ふふ、うん。あった!」



放課後。

日常となりつつある、紫杏くんとの帰り道。

テストも終わり、和葉ちゃんと遊ぶのが久しぶりでワクワクな気持ちは隠せない。



「テストはどうだった?」

「いつもより解けたよ。紫杏くんが教えてくれたおかげだから、ありがとう…!」

「どういたしまして。花澄ちゃん、よく頑張ってたからね」



口角を柔らかく上げて、優しく微笑んだ紫杏くん。

直視できなくて、顔を俯かせてしまう。



「花澄ちゃん、顔見せてよ」



近距離で聞こえてきた声に俯いた事を反省する。

顔を見ようとしてか、距離をすごい詰められてて…。

それじゃ、余計に顔上げられないよ。



「下向いてると危ないよ」



グイッと引っ張られたと思って顔を上げると、電柱とぶつかりそうになってた私。

袖を引っ張っていた紫杏くんの手が、私の手を握る。