「花澄、また遊ぼうね〜!」
「うん!またね、和葉(かずは)ちゃん。気をつけて帰ってね!」
「あはは、花澄こそ気をつけて帰りなよー?」
休日。
高校に入ってできた友達と、初めて遊んだ後の帰り道。
まだ夕方…とはいえ、辺りは薄暗い。
オレンジ色に染まった空が、次第に紺色を帯びていく。
早く帰らないと、親に心配をかけてしまうかも…。
普段は通らない、細くて暗い道を通って歩いて行く。
確か、この道が近道だったはず…。
「あれ?こんな時間に女子高生通ってんじゃん。ラッキー」
「ちょっと君、今時間ある?遊ばないー?」
すぐ至近距離で声がする。
こういうのは関わるだけ無駄だってよく聞くし、早歩きでスルーする。
「今、時間ないので無理です」
「つれないなー。この道歩いてる時点で、そーゆーことでしょ?」
ガシッと肩を掴まれる。
体の奥が、冷え切る。
怖い…、その感情が全てを支配する。