退院した次の日から放課後は毎日病院に行った。
でも、日に日に優弥の元気は無くなっていった。最初は気のせいと思ったけど、最近は明らかに弱っている。
「やっほー優弥」
「あ!花蓮!」
前と同じ明るい笑顔を見せてくれるけど、その笑顔の中に前にはなかった暗い笑顔も混ざるようになった。
私は今日学校であったことを優弥に話す。
優弥はそれを楽しそうに聞く。
笑顔という仮面を張り、楽しそうに。
たまに出るいいなという目線。
たまに見せる全てを諦めたかのような表情。
私を安心させるように抱きしめたり、明るいテンションで話したり。
知らないとでも思ってるのかな?私はね、優弥が花蓮にバレてないだろうっていうところもバレてるんだよ?
本当は知ってんだよ?
優弥が陰で泣いてること。もう優弥は退院できないってこと。遊べないってこと。もうすぐそこまでお迎えがきてること。優弥は死にたいけど死にたくないってこと。
死にたいって思ってると思っても心のどこかでまだ生きたい。そう願ってるんだろうね。
そこで私考えたんだ。
私が優弥にとっての生きる意味なら、私が死ねば、優弥は楽になれるって。
だからね、今から逝こうと思うんだ。
逝くって言っても健康体である私が死ぬには…自殺かな〜って。ちょうどこの病院屋上があるじゃん?ここから落ちれば上手くいくと思うんだ。
私は屋上に行った。
これを君の前で言ったら全力で止めに来ると思う。
だから何も言わずに逝くね。

大好きだよ。私の大切な人

私は飛び降りた。