君の命が続くまで

1ヶ月後
優弥は、あれから目を覚まさない。
そして今日は私が退院する日だ。
荷物をまとめて病室から出る。
廊下を歩いていると先生と会った。
「あっ!花蓮ちゃん。今日退院?」
「はい。そうです」
「そっか。おめでとう」
「ありがとうございます。今までお世話になりました」
「うん。またね」
「はい。また」
お辞儀をして去ろうとしたら
「花蓮!」
後ろから声が聞こえた。
つい足を止めてしまった。
それは先生では無い。ずっと聞きたかった声。
まさかね。多分ずっと聞かなかったせいで幻聴が聞こえたんだ。でも…
淡い期待を持って後ろを見た。
「…!ゆう……や?」
優弥の姿があった。
さっき病室を出た時まだ寝てたはずなのに。
「え?ちょっと優弥くん!まだベットで安静にしてなさい」
そんな先生の言葉を無視して優弥は状況を整理できてない私を抱きしめて来た。
「花蓮…ごめんね。心配かけて」
「本当に優弥なの?」
「うん…」
返事を聞いた瞬間涙が溢れてきた。
「花蓮は退院?」
「うん」
「そっか…」
切なそうに目を細めた。
「でも、ちゃんと病院来るから。だから安心して?ね?」
「うん。退院おめでとう。またね」
「ありがとう。またね」
優弥の温もりが体から消えて寂しく感じた。