君の命が続くまで

止まった涙がまた溢れてきた。
優弥の温もりに触れて、安心したのと同時に優しさが嬉しかった。
「本当は怖かったの。あんな目にあったのはじめてだったから。でも優弥が守ってくれて、ちょっと安心したけど殴られかけたじゃん？あれで、私のせいだって思って…｡優弥がまた消えるかもって怖かった」
より一層力強く抱きしめてきた。
「ごめん。怖い思いさせて……｡泣いていいよ誰も見てない」
私は涙が枯れるまで泣き続けた。
涙が枯れるまで優弥は私を抱きしめてくれていた。
涙が枯れた時にはもう日が落ちていた。
「今日はもう帰るか」
「うん。ごめんね」
「お前のせいじゃねぇよ」
優弥は頭をポンポンしてくれた。
「うん。ありがと」
顔を下に向けながら言った。
「お礼は相手の目を見てするものだろ」
そう言って、彼は私の顔を上げた。
「ほら、もっかい言えよ」
少し目線をさ迷わせたあと
「ありがと！優弥」
笑顔で言った。
優弥の顔が一気に赤くなった。
「え？優弥？大丈夫？」
顔を覗き込むと目を逸らされた。
「もしかして…照れてる？」
冗談混じりで言ったら
「そうだよ。悪いか」
珍しく素直だった。
「えっ。優弥が珍しく素直だ」
口が滑った。
「なんだよ」
拗ねた表情をした。その姿が面白くて
「別に〜。ただ優弥もかわいいとこあるなって思って」
笑いかけた。
そして優弥はまた顔を赤くした。
「お前なんてこと言ってんだよ？！そんなことねぇから！」
「え〜？じゃあどうして顔が赤いんですか〜？」
「そ…れは」
「それは？」
「…うるさい！どうでもいいだろ！」
「なんで逆ギレするの」
私は、呆れた。
「まぁ、そういうとこもいいんだけどね〜」
呟いた。
「は？」
「ん？なんかした？」
「いや…」
ずっと私を見ていた。
「どうしたの？まさか惚れなおした？」
腕を広げたら優弥は腕の中に飛び込んできた。
「……バカか。元から惚れてるっての」
今度は私が赤くなった。
「もっ…もう帰ろ」
優弥から離れようとすると
「お前からやってきたのに、お前から離れるってどういうことだよ。それとまだこのままで」
私の肩に顔を埋めた。