そう言ってやっと帰っていった女子達を見て足の力が一気に抜けて座り込んだ



「空手習っててよかったー」


「あんたおもしろいな」



え?だれ…



え⁉︎


「藤堂くん⁉︎なんでここに」


「立花さんの友達が探してたから俺も探してた」


「いつから聞いてたの?」


「迷惑なのはこっちなんだけど?」


⁉︎


藤堂くんに見られてたなんて


女子達に囲まれてた方がマシだった…



「藤堂くん、探してくれてありがとう。じゃあ帰るね。また明日」



そう言って藤堂くんに背を向けて歩き出した




藤堂くん絶対引いただろうなー




はあ。食堂でちょっと距離縮まったと思ったのになー




「ちょっと待って」


グイ


「っ⁉︎うわ!」


藤堂くん⁉︎



「え、えっと、ど、どうしたの?」



手!手が!藤堂くんの手が私の手に触れてる⁉︎



「悪い、急に引っ張って」



「あ、ううん、大丈夫」



というか手が離れて寂しいというか…



「送る」



オクル?



おくる...



お、送る⁉︎




「な、なんで⁉︎だ、大丈夫だよ?一人で帰れるよ⁉︎」



「俺のせいだから。立花さんを傷つけた」




そんな悲しそうな顔しなくていいのに



藤堂くんには笑っててほしい




「じゃあお言葉に甘えてもいいですか?」



「ん。家どっち?」



「こっちです。」