朝、いつも通りの時間に起きて学校に行く


そんないつもと変わらない日だと思っていた


でも、この日から歯車は動き出してたんだ




「おはよー、凛」


「おはよ、明里」



学校に着くと凛が靴を履き替えていた。
親友の須藤凛はクールでサバサバした性格の美人。本人はモテている自覚はないけどすごくモテている



「凛、今日もクールだね」


「そう?それより今日誰か来るらしいよ」



席に着くなり凛が後ろの私に向かってそう言った



「転校生?」


「そうそう」



転校生か。今は2年の半ばなのにこんな時期に転校なんて珍しいなー



「どんな人かな?」


「さぁー、どんな人でも私は興味ないかも」



凛さん、さすがです


私は興味津々です


尊敬の眼差しで凛の背中を見つめていると体育会系のいつも通りの暑苦しい先生が入ってきた



「はい、じゃあもう知ってると思うけどうちのクラスに新しい仲間がきます!」


「「おーーー!」」



「入れ!」



その生徒が入ってきた瞬間、クラスは静寂に包まれやがて女子の悲鳴が鳴り響いた


それもそのはず



「かっこいい…」



思わず心の声が溜息と同時に出た



「藤堂冷です。よろしく」



その端正な顔に似合った声で淡々と自己紹介をしセットされてないのに決まってる黒髪を揺らしながら律儀にお辞儀をした彼はすごくかっこいい



「藤堂の席はー、あ、田中の横が空いてるな!じゃあそこだ!」



「はい」



長い手足を動かして颯爽と歩く姿もクラス中の視線を釘付けにするほど絵になっている



「よろしく、藤堂」


「ん、よろしく」



隣の席の田中くんと言葉を交わすとホームルームの時間を持て余すことなく話す先生の話を真剣に聞いていた


そんな姿に私は見惚れてしまった