「ごめん、嘘ついて」 ななは、うつむいて一言も喋らない。 そうだよな……嫌いになったよな。 胸がズキズキと痛む。 「もう、襲われないようにしておくから」 俺はそう言い残してななの前から去った。 歩いていくうちに目から涙が溢れた。 「俺、そんなにななのことが好きだったんだな」 空を見て呟いた。 俺の気持ちと正反対に空は雲ひとつもない青空だった。