学校では、Signalの総長だとバレないように眼鏡をかけ、変装をし、目立たないように過ごしていた。


目立たないように過ごしたいく内に学校に居る男達に目をつけられ、お金を要求されるようになった。


毎日、殴られ、蹴られ。


反撃しようと思えばすることが出来た。


だけど、なんとしてでも正体がバレるのはさけたかった。



『大丈夫ですか……?』



いつものように殴られたあと、ななが現れた。


ハンカチを俺に差し出すなな。


運命だと思った。


初めはただ、不良に絡まれていた女だった。


なのに、話していくうちにちょっと、おせっかいで優しくてそんな、ななに惹かれた。



『また、会いたいな。会って、もっと仲良くしてみたい』



ななが、俺に会いたいというから会いに行った。


会いに行くと、ななは目を輝かせて喜んだ。


その顔を見るのが好きで、俺は毎日と言っていいほど、会いに行った。


でも、正体を言う気にはなれなかった。


ななが好きなのは強い俺だから。


あの夜、ななを助けた俺だから。




ななが拉致されて会わないといった日、学校ももう行かないつもりだった。


だけど、この姿なら、変装をした姿なら会ってもいいと思った。


許されると思った。