「まぁとりあえず保健室まっすぐ行くよ」
架乃はきっと私に気を使って連れてってくれたと思った。
すると……。
校門付近では女子たちの黄色い歓声が聞こえた
「きゃー歩夢(あゆむ)くぅん」
「やっぱしあのクールさ好きだけど、歩夢くんより来夢(らいむ)くんの方がかっこいよね」
「おはようみんな」
てか耳痛てぇどっからそんな声出るんだよぶりっ子か
「おい、歩夢顔に出てるからその顔やめろんじゃ俺先行くから」
来夢は一言残して昇降口へと向かって行った
「来夢助けてって」
俺の声は来夢には届いていなかった
「来夢くぅんもう行っちゃうの?」
「そんなことしないでよ!寂しいじゃん」
「ね、歩夢くん」
女子たちの波に少しずつ飲まれかけていた