ピコン。
メッセージの受信。

「うわっ」
送り主の名前を見て、思わず声が出た。

凄いなぁ。
このタイミングで駿からの連絡が来るなんて、怖すぎる。

「あーぁ」
頭を抱えて、ため息を一つついた。

駿との思い出が子供の時のままで終わっていれば、私が男性不信になることもなかったんだろうな。
そう思うと、少しだけ恨めしい。

『来月東京に行くんだ。桃花とお母さんからの荷物も預かっているから時間を作ってほしい。連絡をください』

桃花って、本当に鬼だと思う。
私から駿を奪って、親を巻き込んで強引に結婚までして、こうやって東京出張する駿に私へのこと付けを頼むんだから性悪としか思えない。
母さんは、「桃花が元気になった」「いい婿が来た」って喜んでいるけれど、そんな単純な話ではない。

このことがあって、私は男を信用できないし、家族も信じることができない。