極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません

「美味しい紅茶だね」
「そう、よかった」

私がやっている小さなお店は、有機無農薬にこだわった食品や天然素材のコットンを使用した雑貨などを扱うセレクトショップ。
太郎さんが美味しいと言ってくれた紅茶も店で一番人気の商品。

「インテリアもこだわっているんだね」
「ええ」

テーブルも家具もタロウのサークルまで全て木製。
ソファーは皮素材だし、カーテンやラグはコットンのものばかり。

「土に還る物しか使わないことにしているの」
「えっ」
やっぱり驚いた顔をされた。

変わったこだわりだと自分でもわかっている。
ビニールや金属やプラスチックのものを使えば安くて経済的だし、品数も多い。
でも、私は自然素材にこだわって生きたいと思っている。

「もしかして、アレルギーがあるの?」
「え?」
今度は私の方が驚く番。

すごいなあ、今までこの話をしてアレルギーがあるからって気づいてくれた人はいないのに。

「これでも僕、医者なんだ。それも小児科医」
「へー」
なるほど。

通りで察しがいいはずだわ。