極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません

「緊張しているね?」
「ええ」
横に並ぶ太郎に聞かれ、素直にうなずく。

「大丈夫だよ」
拳を作っていた私の手をとり、優しく包み込む太朗。

「うん、ありがとう」

太朗がいたから、今私はここにいられる。
太朗が諦めずに私を追いかけ続けてくれたから、今日のこの日がある。

「なあ美貴」
「ん?」
「幸せになろうな」
「うん」

繋がれた手から伝わる温もり。
どんなことがあっても、この幸せは手放さない。

『新郎新婦のご入場です』
扉の向こうから声がして、
扉が開いたと同時に聞こえてきた拍手。

みんなが一斉に後ろを振り返り、ニコニコと私たちを見る。

「さあ、行こう」
太朗の声が聞こえ、私たちはゆっくりと歩き出した。