「ママ、帰ろう」
3人ともパフェを食べ終わったタイミングで敬也君の一言。

「そうね」
真理愛さんも荷物を手にする。

「あの、私は」
これで失礼しますねと言いかけたのに、

「美貴お姉ちゃんも家においで」
敬也君が私の手をとった。

「いや、あの、」
困ったなあ。これ以上ご迷惑はかけられない。

「いいじゃないですか、来てください」
「でも・・・」

真理愛さんと敬也君の二人に説得され、私も腰を上げた。

このまま東京に帰ったところで、すぐに太郎さんにみつかってしまうだろう。
だからと言って逃げるのも嫌だし、太郎さんのマンションに帰る勇気もない。
そうなると・・・

「家に来てください。美味しい無農薬野菜がたくさんありますから」
「へー」
ちょっと魅力的。

結局食べ物につられて、私は真理愛さんに同行することになった。