「あの、今更だけれど僕、高城太郎って言います」
唐突に自己紹介を始めた男性。
ああ、そう言うことか。
男性の名前は太郎さん。そんなこと知らない私がワンちゃんの名前をタロウにするって言えば、そりゃあ驚くわよね。
「すみません知らなくて」
「いいんです。今時の名前でないのも、ペットに付けられがちな名前なのも自覚していますから」
「そんなあ」
太郎って少し古風だけれど、嫌いな名前ではない。
いかにも長男って感じで、親御さんの思いのこもったいい名前だと思う。
「えっと、あなたの名前を聞いてもいいですか?」
「ぁ、ああ」
そういえば私も名乗っていなかった。
マンションまでついてきてシャワーや着替えまで貸してもらったのに、うっかりしていた。
「私、田上美貴と言います」
「美貴さん」
「はい」
普段飲みに出て声をかけられた時は下の名前しか名乗らないことにしている。
その日限りの関係だし、なるべく個人情報は洩らしたくない。そう思ってきた。
でも、太郎さんには私もワンちゃんもすごくお世話になってしまったからきちんと名乗った。
唐突に自己紹介を始めた男性。
ああ、そう言うことか。
男性の名前は太郎さん。そんなこと知らない私がワンちゃんの名前をタロウにするって言えば、そりゃあ驚くわよね。
「すみません知らなくて」
「いいんです。今時の名前でないのも、ペットに付けられがちな名前なのも自覚していますから」
「そんなあ」
太郎って少し古風だけれど、嫌いな名前ではない。
いかにも長男って感じで、親御さんの思いのこもったいい名前だと思う。
「えっと、あなたの名前を聞いてもいいですか?」
「ぁ、ああ」
そういえば私も名乗っていなかった。
マンションまでついてきてシャワーや着替えまで貸してもらったのに、うっかりしていた。
「私、田上美貴と言います」
「美貴さん」
「はい」
普段飲みに出て声をかけられた時は下の名前しか名乗らないことにしている。
その日限りの関係だし、なるべく個人情報は洩らしたくない。そう思ってきた。
でも、太郎さんには私もワンちゃんもすごくお世話になってしまったからきちんと名乗った。



