「美貴さんは、そんなに僕のことが嫌い?」
さっきまで怒りを含んだ声音だったのに、トーンが変わって寂しそうな声。
それに対して私は、イエスもノーも答えることができなかった。
「何度も言うけれど、僕は美貴さんが好きだよ。できればずっと一緒にいたいと思っているし、大切にしたいとも思う。だからもし、美貴さんのお腹に宿った命が僕の子供ならすごくうれしい」
ヤダ、泣きそう。
目にたまった涙が溢れ出る瞬間、私は掛けてもらっていたハーフケットで顔を覆った。
「この間のダイエットの話も、悪阻だったんだね」
「うん」
「随分痩せたみたいだから、きっとつらかったんだろうね」
「そんなこと」
ないとは言えないけれど、自分で選んだ道だから。
「ごめんね、もっと早く気付けばよかった」
「太郎さん」
私は妊娠に気づきながら病院にもいかず、きっと親として無責任な行動をした。
それに、本来知らせるべき父親に妊娠を知らせず、今なお子供から父親を奪おうとしている。
今回の件で責められるべきは私で、「ごめん」なんて言ってもらえる立場ではない。
「太郎さん、少しだけ話をしてもいいですか?」
私はハーフケットで顔を覆ったまま話し始めた。
さっきまで怒りを含んだ声音だったのに、トーンが変わって寂しそうな声。
それに対して私は、イエスもノーも答えることができなかった。
「何度も言うけれど、僕は美貴さんが好きだよ。できればずっと一緒にいたいと思っているし、大切にしたいとも思う。だからもし、美貴さんのお腹に宿った命が僕の子供ならすごくうれしい」
ヤダ、泣きそう。
目にたまった涙が溢れ出る瞬間、私は掛けてもらっていたハーフケットで顔を覆った。
「この間のダイエットの話も、悪阻だったんだね」
「うん」
「随分痩せたみたいだから、きっとつらかったんだろうね」
「そんなこと」
ないとは言えないけれど、自分で選んだ道だから。
「ごめんね、もっと早く気付けばよかった」
「太郎さん」
私は妊娠に気づきながら病院にもいかず、きっと親として無責任な行動をした。
それに、本来知らせるべき父親に妊娠を知らせず、今なお子供から父親を奪おうとしている。
今回の件で責められるべきは私で、「ごめん」なんて言ってもらえる立場ではない。
「太郎さん、少しだけ話をしてもいいですか?」
私はハーフケットで顔を覆ったまま話し始めた。



