「今、妊娠しているんだよね?」
私がソファーに横になり、太郎さんが床に座って私と向かい合っている。
その足元で嬉しそうにじゃれつくタロウ。
「美貴さん?」
一向に返事をしない私に、太郎さんの声が少し強くなる。
「ええ」
今更ごまかすことはできない。
お医者さんである太郎さんにならいくらでも調べる手段はあるはずだから、嘘をついてもすぐにわかってしまうだろう。
ここは素直に認めるしかない。
「何か月?」
「・・・」
そんなこと言えば、太郎さんの子だってわかってしまう。
「僕の子だよね?」
「違います」
・・・嘘。
「じゃあ、相手は誰?」
「・・・」
「言い方を変えるよ。僕の子かもしれないよね?」
「いいえ、違います」
・・・これも、嘘。
「僕の子じゃないって言いきる根拠は何?」
「それは・・・」
どうして頭のいい人は、こうやって理詰めで攻めてくるんだろう。
これじゃあ逃げ道がない。
私がソファーに横になり、太郎さんが床に座って私と向かい合っている。
その足元で嬉しそうにじゃれつくタロウ。
「美貴さん?」
一向に返事をしない私に、太郎さんの声が少し強くなる。
「ええ」
今更ごまかすことはできない。
お医者さんである太郎さんにならいくらでも調べる手段はあるはずだから、嘘をついてもすぐにわかってしまうだろう。
ここは素直に認めるしかない。
「何か月?」
「・・・」
そんなこと言えば、太郎さんの子だってわかってしまう。
「僕の子だよね?」
「違います」
・・・嘘。
「じゃあ、相手は誰?」
「・・・」
「言い方を変えるよ。僕の子かもしれないよね?」
「いいえ、違います」
・・・これも、嘘。
「僕の子じゃないって言いきる根拠は何?」
「それは・・・」
どうして頭のいい人は、こうやって理詰めで攻めてくるんだろう。
これじゃあ逃げ道がない。



