「さてと、次はアンタの番だ。凛子」
「え？嘘。急に凛子って呼んじゃうんだ」

しまった。心の中で凛子と呼んでいたのが、ついうっかり出てしまった。

「はぁー…いいじゃん凛子なんだから」
そう言うと凛子は少し考え答えた。
「いいよ。で、何が私の番なの？」
「だから、凛子の事だよ。なんで昨日、あんな状態でここにいたんだよ。家は？住所は？」

「怖ーい。警察みたい」
「…ふざけない」
「一之瀬凛子。22歳です。18の時から働いていた会社を昨日、クビになりました。だからー、やけ酒？的な。そしたら飲みすぎて、記憶にございませんでした」