「あ、目が覚めました?ちょうど良かった。検温お願いしますね」
差し出された体温計を素直に受け取った。

「おなか、空いてないですか?さすがにお食事は用意できませんが補食なら大丈夫ですよ。お待ちしましょうか?」

柔らかな笑顔で問いかける看護師さんの対応が身にしみるのは、たぶん自分の中で『ヒロを信じる』と言う決心ができたからなんだろうな…

「37.4度。良かった、下がってきましたね」計測の終わった体温計を見て看護師さんはニコりと笑った。