一之瀬凛子と別れたその日、早番だった俺はコンビニの肉まんを片手に帰宅した。

「遅っかたねー。いつもこんなに遅いの?」 
「…なんでお前がいるんだよ」 
「えー、言ったじゃん。お礼は必ずって。だから一緒に食べようよ」

そう言うと一之瀬凛子はコンビニの袋を軽く上げた。
「別に礼なんていらないよ」
「いいから、いいから」
鍵を開けると一之瀬凛子はスルりと俺を交わし、さっさと家の中に入ってしまった。