just love you

「…引越したから」
「引越し?」
「うん。私の両親さ、本当の親じゃないって言ったよね?」
「あ、あぁうん」
「養子になって引っ越して、病院遠くなったし、ご飯くれて学校通わせてくれてるのに、その上、病院のお金出してくれなんて言えないよ」
「…養父母はお前の病気のこと、知らなかったのか?」

「生まれつき病弱としか…思春期だったから甘えるのも、媚びてるみたいで嫌だったし。だから高校卒業してこっちで就職したの。一人暮らしの方がよっぽど楽だよ」
「そっか…」
凛子の過去を俺が知っているとは知らない凛子に対し、それ以上は深く聞けなかった。

「ごめん。話したら疲れちゃった。ちょっと休んでいい?」
「あ、ごめん。そうだよな…俺、今から仕事だからなんかあったら呼べよ」
横になった凛子に布団をかけ、俺は部屋を出た。