「熱、下がったか?」
翌日、遅番だった俺は出勤前に凛子の部屋に顔を出した。

「アンタの顔見たら、上がった」
凛子は不機嫌そうに答えた。
そっとおデコに手を置くと高い体温が伝わってくる。
「あれ、薬効いてない?ほかに辛いところは?」
「…無い」

そう答えた凛子だったが、明らかに呼吸は荒く不安定だ。
「あっ、そう」
俺はそう答え、凛子に供給されていた酸素量を確認した。けれどこれ以上変えるわけにも行かず、横になっていたベッドのリクライニングを少し上げた。