「…っつ、痛っ…はぁ」
「凛子?凛子。大丈夫だ、ゆっくり深呼吸しろ」
胸を押さえ、顔を歪める凛子に俺は一瞬で現実に戻った。
「息を止めるな。大丈夫だから」
ナースコールを押し、看護師に指示を出すとベッドを戻し、酸素供給を開始し、聴診器を掛けた。

「先生!」
「塚原さん、そっちの点滴廃棄して同じの用意して下さい。筒井さんはバイタル確認して」
「ちょっと失礼しますねー」
凛子の聴診を素早く終え、点滴を投与すると徐々に凛子の呼吸は落ち着いてきた。