just love you

「…住所って、えっ?」
書かれていた住所は、ここから遠く離れた場所だった。

確か、初めて会ったとき凛子は俺の家で「家が近いから、間違えちゃった」と言っていた気がする。
病院と俺の家は歩いて10分もかからない。そんな俺の家と、書かれていた住所は誰が考えても近くない。

疑問だけが頭の中をぐるぐる回る。
「これ、一ノ瀬さんの保険証。預かったからあと、よろしく」そう言って看護師に手渡した。