just love you

「あ、待って」
その一言が俺を引き止めた。
「なに?」
ベッドから起き上がった凛子は窓辺のロッカーの中からリュックを取り出しガサガサと中身をあさった。

「はいコレ。要るんでしょ?」
そう言って差し出されたのは凛子の保険証だった。
「え?あ、あー。サンキュ。じゃあちょっとコピーとってくるわ。待ってて」

わざわざこれを取りに帰ってたのか?そんな事を考えながら保険証を裏返すと丁寧な字で住所が書いてあった。個人情報保護の目隠しシールを貼っていないところが妙に凛子らしくて笑ってしまった。