16時を少し過ぎた頃だった。

医局で書類仕事をしていると看護師から、凛子が戻ったと連絡がはいった。
体調に変化がないかを確認するのが決まりなので、しばらくして凛子の部屋を訪ねた。

「どうだった。久々の外の空気は?楽しめたのか?」
「…楽しむ為に出かけたんじゃないし」 
「そうなんだ」
「むしろ逆。疲れた」
そう言って凛子はあくびをした。
「ったく。ほら、横になって」
背中に手を添え、寝るよう促した。