花壇に植えられた紫陽花に視線を移した彼。
わたしもその視線の先を追いかける。
紫と青。
彼と同じ色を見ているというだけで、胸が熱くなる。
緊張しているからなのか、目の奥も熱っぽい。
心臓の動きはこんなにも速いのに、時間はゆっくり流れているように思えて。
なんとなくだけど、この流れを変えなくてはいけないような気がした。
「あの…。言いたいことって、」
「……あぁ、…うん」
視線を紫陽花に置いたままの彼が、大きく息を吸い込むから、わたしの肩がピクリと跳ねた。
彼の横顔が、いつもと違って見える。
「あの、さ」
「……う、ん」
彼の緊張が伝わってきて、思わず手を、ぎゅっと握りしめる。
「一花って、好きなやつ、……いたりすんの?」



