「相変わらず面倒なことばっかりやらされてんのな」
「……べつに、やらされてるわけじゃ、」
「どこ?」
「え?」
「どこに運ぶの?」
「あ…、」
準備室に、と言ったわたしを置いて、彼がスタスタと歩き出した。
「ちょ、…ちょっと待って。わたしが、」
「こういうときは、素直に頼ればいい」
そう言って、左の口角を上げる。
彼は、いつだって優しくて。
優しくしてもらうたびに、ドキドキして。
なんだか、うまく接することができない。
「……あ、……ありがとう」
整った顔立ちの彼は、学年が上がるにつれ、どんどん魅力的になっていく。
隣に並ぶことですら、なんだか許されないような気がして。
半歩後ろをついていくのがやっとだ。



