「ゴミ捨ても行けって」
「ふざけんな、っての」
「もー。面倒くさい」
掃除の時間が終わる頃、教卓の前でクラスメイト数人が騒いでいた。
「どうしたの?」
「あ、一花」
「なんかさぁ、準備室に運んでくれって、滝川に言われて」
「うちら、ゴミ捨ても頼まれててさ」
教卓の上に置かれたダンボール箱の中には、担任が使用した教材が詰め込まれていた。
「わたしが持っていこうか?」
「えっ、いいの?」
「うん。いいよ」
「マジで助かる!」
「お願いねー」
「うん」
持ち上げたダンボール箱は、思っていたよりも重たくて。
廊下で立ち止まっては、よいしょと抱え直す。
「なにしてんの?」
「……え?」
突然、目の前に現れたと思ったら、ひょい、って。
わたしの手から取り上げたダンボール箱の中身を覗き込む。
「こんなの、ひとりじゃ大変だろ」
隣のクラスの戸山 優心くん。
一、二年生のときに同じクラスだった、学校でいちばんのイケメン。



