「私が優心のこと好きだって、知ってるよね?」
「一花のことだから、遠慮すると思うじゃん?」
「空気読んでよ」
あれこれ言われても、反論できなくて。
それが余計に彼女をイラつかせたみたい。
ムカつく、と言って左肩を押されると、貼り付いていたはずの足がペリペリと剥がされる。
……あぁ、よかった。
ようやく剥がれたおかげで、この場を離れることができる。
考えなくちゃいけないことは他にもたくさんあるはずなのに、真っ先に浮かんできたのがそれだった。
少しでも早くここから逃げ出したい。
今はそれしか考えられなかった。
「ちょっと…っ!」
クラスメイトの声も無視して、ぱたぱたと、大袈裟なくらいに足音を立てて逃げた。
この先も、きっと。
わたしはそうしてしまうだろう。



