俺らはいつも一緒だった。
教室から少し離れた場所。少し静かで涼しい影があり夏は最高の場所だった。
「あ!健一!!!!」
幼なじみの叶恵が健一に気づき近寄ってきた。横に腰を下ろして購買で買ってきたっぽいパンを開けたべ始めた。
「他のみんなは?」
「まだ来てない。」
そんな短い会話。それでも居心地がいい。
「お!また2人きりだったのか?
お似合いだなぁーw」
と、茶化すようにすらっとした雑誌から出てきたようなイケメンが近寄ってくる。
「ちげーよ。遅いんだよ春人が。」
「いや、俺より遅いやついるだろ。」
夏の暑い日なのにすごく涼しいのは校舎の影があるからだろう。
「誰が遅いだって?お前らが早すぎんだろ。」
ピアスをあけて、金髪に染めたいかにもチャラい男が前髪をなびかせている。襟足が長く暑そうに見えるはずなのに涼しげに感じるのは態度からなのだろうか。
「いや、学校遅刻常習犯来た。」
「え?遅刻したの?また?」
「叶恵知らなかった?」
わちゃわちゃ話す。これが俺の大好きな時間。
「あ、賢太今日提出のプリントだした?」
「げ、やってねぇよ。」
セミの声が聞こえないほど、賑やかな昼休み。