絶望のち愛

1週間に2回リハビリに通った。
退院した時は、まだ、びっこを引いてたけど、
退院から1ヶ月、しっかり歩けるようになった。

退院してからは、一度も内堀先生には会えていない。

会いたいな。
頑張ってリハビリして、走ったりできるようになったら、
先生に報告したいな。

リハビリは、週に1回になった。
自分でも、散歩したり、少し走ってみたり、ジャンプしてみたり、リハビリを頑張った。

退院して、2ヶ月。
「もう、リハビリも終わりでいいね。こんなに早く走れるようになるなんて、すごいよ。」
加藤先生が誉めてくれる。

「自主トレしてますから。」

「うんうん。はじめはどうなることかと心配したけど、急に頑張るようになったよね。それからは、早かった。やっぱり、元々運動してたからだだから、回復が早かったのかな?」

「内堀先生の話を聞いたんです。義足の話。」

「義足?内堀先生が?」

「えっ?知らなかった?これ、言っちゃダメだったやつ?」

「いいよ、内緒にしてる訳じゃないから。」
後ろから、大好きな声が聞こえてきた。

「内堀先生・・・」

「リハビリ頑張ったね。もう、リハビリも卒業だってね。」

「先生が頑張れって言ってくれたから。」

「頑張ったのは、中村さんだよ。すごいよ。こんな早くにリハビリ卒業なんてね。」

「先生、私、走れるようになったんだよ。ジャンプもできるよ。見ててね。」