絶望のち愛

「じゃあ、ご飯の時間までは、散歩でも行こうか。今日はサービスして、車イスに乗せてあげるよ。明日からは、リハビリして自分で乗れるようにするんだよ。」

と、いいながら、
私をお姫様だっこして、車イスに乗せてくれた。
お姫様だっこなんて、するもので、されるものではなかった。
車イスにのっても、恥ずかしくてうつむいたまま。きっと真っ赤な顔している。

「真っ赤だよ(笑)」

顔をのぞき込んでくる内堀先生。
私はもっとうつむいて、

「見ないで!」

「かわいい。さ、散歩行こう。」

ナースステーションおの前を通り、看護師さんに
「散歩行ってくるよ」と声をかけて、廊下を進んでいく。