絶望のち愛


確かに、私も何をやるにも手伝ってくれる人が必要だ。

「それで、とりあえずリハビリした。車イスに自分で移れるようにね。
まず、車イスに自分で乗れるようになると、世界が広がったよ。ベッド上だけじゃなくて、病棟のなかを自力で移動できるようになった。
でも、車イスは不便な場面も多い。リハビリをして、松葉杖で移動できるようになった。でも、バランスを崩すと足が一本しかないから、こけるんだ。
足がなくなってから、1年は車イス生活して、それから松葉杖と併用の生活。それでも、不便で、主治医と相談したんだ。で、義足を作ることにした。
で、今に至る。」

「最後、はしょり過ぎじゃない?」

「まあ、でも、そんな感じなんだよ。」

「私は、とりあえず何したらいい?
とりあえず、動けるようになりたい。」

「いいね。とりあえず、ご飯食べようか。ご飯食べないと、元気にはならない。リハビリは体力使うからね。」

「わかった。とりあえず、食べる。」

私は、リハビする気になった。
バレーができるか、できないかは今じゃなくていい。
とりあえず、できそうなところからやろう。
だって、私には足があるから。