絶望のち愛

『中村さん、リハビリの加藤です。
お迎えに来ましたよ。リハビリ室で少しリハビリしませんか?』

「・・・」

「内堀先生に聞きましたよ。バレーボール選手だったそうですね。背も高いですもんね。すごいな~僕、スポーツは苦手なので、スポーツできる人って尊敬します。」

「・・・」

「少しでも行きませんか?今は、乗らないですかね?では、ちょっと時間を置いてから、また来ますね。」

リハビリの先生は諦めて戻っていった。



「中村さん、リハビリ少しやってみない?一緒に行くから。」

今度は主治医が声をかけに来た。

「・・・」

「さ、今日はとりあえず車イスに乗って散歩でもいこうか。」


主治医は私の布団を無理矢理剥がして、背中に手をいれようと、手を出してきた。

「やめて」

その手を振り払った。反撃に出ると思ってなかったのか、主治医はバランスを崩して尻餅をついた。

「いてっ」

やり過ぎたと思って、主治医を見ると、主治医がはいていたズボンが少しめくれて、足が見えていた。