「あー、めちゃくちゃ最高だった」

主人公はかわいかったし、相手役もかっこよかったし、展開もおもしろかった!

久しぶりに見つけた当たりの漫画を見つけたな。

この作者は他に何を書いてるのかな?

そう思いながら作者名を指でタップしようとしたら、
「ーー恵麻ちゃん…」

宇大に名前を呼ばれた。

「はい?」

彼の方に視線を向けて返事をしたら、
「ーー恵麻ちゃん…」

眠ったままの状態でモゴモゴと口を動かしていた。

何だ、寝言か。

まぎらわしい、寝言なら寝言と言えと心の中でツッコミを入れた。

とは言え、
「何でかわいいと思っているんだ、私は」

どこか無防備なその寝顔から目をそらすように、私はスマートフォンに視線を落とした。