弁護士は逃げる婚約者を離したくない

宇大がベッドに腰を下ろした状態で温めたばかりのおかゆを食べていることを確認する。

食欲はあるみたいだ。

「みかんを持ってきているんですけど、お腹が大丈夫そうだったら食べますか?」

そう聞いた私に、宇大は首を横に振った。

「…今はみかんを食べたない」

「そうですか…。

プリンとゼリーとアイスがありますけど、どれにしますか?」

「…プリンがええ」

「わかりました」

私は冷蔵庫へ行くと、先ほど入れたばかりのプリンを取り出した。

おかゆを食べ終わった宇大にプリンとスプーンを渡すと、
「おおきに」

宇大はお礼を言って私の手から受け取った。

空っぽになった器を流しへと持って行くと、それを洗って水切りかごの中に入れた。