弁護士は逃げる婚約者を離したくない

片手鍋に水を入れてお湯が沸くのを待っている間にプリンとゼリーを冷蔵庫に、アイスを冷凍庫に入れた。

「宇大さん、熱冷まシートをここに置いておきますね」

ベッドのうえで横になっている宇大に声をかけると、サイドテーブルにその箱を置いた。

お湯が沸いたことを確認すると、おかゆを湯煎にかけた。

スマートフォンで時間の確認をしながら器とレンゲの用意をした。

おかゆが温まると、器に盛りつけた。

ご丁寧にランチョンマットが敷かれているーーと言うよりも、敷きっぱなしか?ーーテーブルのうえに、先ほどおかゆを盛りつけた器とレンゲを置いた。

「宇大さん、おかゆができましたよ」

宇大に声をかけると、彼は躰を起こした。

邪魔にならないようにふとんを足元まで持って行くと、宇大は空いたスペースに腰を下ろした。