弁護士は逃げる婚約者を離したくない

30分か1時間で帰ると言う条件で、私は宇大の自宅に足を踏み入れた。

「昼ご飯は食べたんですか?」

私が聞いたら、宇大は首を横に振って答えた。

「じゃあ、今からレトルトのおかゆを温めますのでそれまで横になっててください。

温めが終わったらすぐに声をかけますから」

エコバックの中からスポーツドリンクを取り出すと、宇大に渡した。

「喉が乾いていたら飲んでください」

そう言った私に宇大はスポーツドリンクを受け取ると、ベッドへと足を向かわせた。

「キッチン借りますね」

彼の後ろ姿に向かって声をかけると、私はキッチンに顔を出した。

おかゆは白粥、卵粥、梅粥と3つ買ってきた。

その中から白粥を手に取ると、裏に書いてある温め方を読みながら用意を始めた。