そう言うと、孝太郎くんは笑いながら

「それを言うなら、俺だって長浜から引っ越してきた時は、同じこと思ってたよ。訛りもしばらく抜けなかったしさ。むしろ、泉水ちゃんは初めて会ったときから全く訛りもなくて、逆に驚いた」

やっぱり、孝太郎くんは優しい。

私は、父が転勤族ということもあり、親の教育方針で、小さい頃から標準語しか話せないのだ。

しかし、この話し方が原因で、つらい経験もした。

そのことはまだ、孝太郎くんにも話したことがない。

きっと、まだ私の傷は完全に癒えてはいないのだろう。