電車に揺られながら、私たちは、いつものように他愛ない話をする。

花やしきまでは、2回乗り継いで1時間ちょっと。

「もう、東京には慣れた?」

「そうね。最初は戸惑うことも多かったけど、意外とすぐに慣れちゃった」

互いに大学1年生だが、生まれも育ちも学校も、何もかも違う。

何の共通点もない私たちの関係性は…なんとも形容しがたい。

私たちは、少し変わった形で知り合った。

ノスタルジックで、メルヘンチックな出逢いとも言える…そんなめぐり逢い。