私は、生まれも育ちも東京で、都内の女子短大の1年生だ。

本当は、短大ではなく、同じ学園の四年制女子大の方に進学したかったが、私の成績ではとてもムリだった。

大学と短大は、道路を挟んですぐ向かいなので、しばしば大学の生徒たちとすれ違うが、基本的に交流はない。

大学の子たちは、短大の子に比べると落ち着いたファッションだが、鞄や小物などは、然り気無くブランド物で、聡明な子が多いイメージ。

一方、短大のほうはギャルかオタクのどちらかという感じで、同じ学園とは言え、学生の雰囲気は全く違う。

よその大学生男子からのサークルの勧誘も、短大と大学では大学のほうが圧倒的に多く、それを不愉快に思っている短大生たちも居る。

しかし、私には関係ない。むしろ好都合だ。

ふと居酒屋のトイレの鏡を見ると、毎度のことだが、これでもかと現実を突きつけられる。

相当ずんぐりとした体型、荒れ放題の浅黒い肌、艶のない髪。

度の強い眼鏡をかけているせいで、ただでさえ小さい目は更に小さく見える。